研究課題/領域番号 |
13630106
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
小栗 誠治 滋賀大学, 経済学部, 教授 (70303758)
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研究分担者 |
丸茂 俊彦 滋賀大学, 経済学部, 助教授 (00291419)
中野 桂 滋賀大学, 経済学部, 助教授 (40324561)
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キーワード | 公的金融システム / コーポレートガバナンス / 金融機関合併 / 最後の貸し手 / バジョット |
研究概要 |
IT革命の進展する中で金融システムは大きな変貌を遂げているが、本研究はそうした金融システムの変化を多元的に捉え、分析しようとするユニークな試みである。本研究は3年間にわたるプロジェクトであるが、初年度の13年度の研究実績は以下のとおりである。 1.金融市場構造の変化 金融システムの中でも公的金融システムに焦点を当て、公的金融システムの改革が金融市場構造に与える影響について分析した。なかでも、郵便貯金という巨大な公的金融機関がIT革命下において金融市場の価格形成力にいかなる影響を与えるのかについて詳細な分析を行った。 2.既存金融機関の経営形態の変化 まず研究の第一ステップとして金融機関の合併に関する理論的サーベイを行うとともに、カナダとオーストラリアにおける金融機関合併の事例調査を実施した。今後は、これらを基に金融機関におけるIT革命の浸透を組込んだ理論モデルを構築するとともに、わが国金融機関の事例への適用を試みる予定である。 3.中央銀行の役割の変化 中央銀行の金融システム安定化政策のうち、IT革命が進展する状況下における中央銀行の「最後の貸し手」機能について検討した。とくに、W.バジョットが示した「最後の貸し手」に関する重要論点について再検討を加えるとともに、筆者の新しい解釈も提示し、バジョット原則の理解を一層深めることに努めた。
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