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2001 年度 実績報告書

株式ティックデータによる市場コストの計測

研究課題

研究課題/領域番号 13630107
研究機関大阪大学

研究代表者

谷川 寧彦  大阪大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (60163622)

キーワードティックデータ / 市場流動性 / 指値注文 / 成行注文 / 執行確率
研究概要

この研究の目的は,東京証券取引所に上場している株式の発注及び約定を記録したティック・データを分析し,取引される株式の属性(個別銘柄の特徴),市場取引コストを定めるマーケット・マイクロストラクチャー上の特性(取引の仕組み),およびマーケット・メーカーとして行動していると考えられる証券会社自己部門の,市場提供ないし流動性提供コストの回収メカニズムを明らかにすることである。
本年度は,東京証券取引所全銘柄を時価総額により5層に分け,そのなかからランダムに50銘柄ずつ抽出した全部で250銘柄に関する,1年間分のティック・データ・ベースを構築した。このデータベースをもとに,発注および約定に関する状態遷移モデルの推定に取り掛かったところである。
成行注文は即時の執行を求めているという意味で流動性を需要するものであり,指値注文は逆に流動性を供給するものである。流動性を供給する対価として,指値注文は成行注文に比べてより有利な価格(売却の場合は高い価格,購入の場合は低い価格)での執行が期待されていて,投資家は,市場の状況(それまでの取引状況,現在の指値注文板の状況など)を見てどちらの形態で発注するかを選択する。特に,今後も成行注文が多く発注されると予想されるときは執行されないかもしれないという可能性が低くなるので,指値注文を選択する傾向がある。こうした一般投資家の行動を念頭において,指値注文によって流動性供給を行なうマーケット・メーカーの行動モデルを開発した。この理論モデルをいかに検証するかを検討のうえ,結果を取りまとめている途中にある。
指値注文の執行確率を50銘柄1ケ月間のデータを用いて推定した予備的な結果を,モデリングとシミュレーションに関する国際学会で報告し,各国の学会参加者,特に東京と同じマイクロストラクチャーの仕組みを持つ香港からの研究者と意見交換を行なった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] K.Omura, Y.Tanigawa, J.Uno: "Execution Probabilities of Limit Orders on the Tokyo Stock Exchange"MODSIM 2001 Proceedings. vol.3. 1583-1588 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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