研究課題/領域番号 |
13630112
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
只友 景士 滋賀大学, 経済学部, 助教授 (30303762)
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研究分担者 |
川瀬 光義 静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (40195095)
佐々木 雅幸 立命館大学, 政策科学部, 教授 (50154000)
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キーワード | 沖縄振興開発計画 / 北部振興事業 / 米軍基地 / 環境保全型経済 / 基地・補助金依存型財政 / 内発的発展 / 島嶼経済 / 名護市 |
研究概要 |
沖縄の本土復帰後に展開されてきた復帰財政政策の実態調査を行った。30年にわたる沖縄振興開発政策の実態を、典型自治体を取り上げて検証を行い、沖縄の自立的発展を可能にする財政政策の調査・研究を行った。 本研究では、普天間飛行場の沖縄県内移設に関連する典型自治体財政の実態調査、離島自治体財政の実態調査を通じ、沖縄の基地・補助金依存財政の実態を明らかにすることができた。 「沖縄振興開発計画による沖縄開発政策」と「米軍基地維持政策」の実態調査を行うとともに、両者の財政政策上の特徴を明らかにし、その社会・経済的効果に関する検証作業を進めてきた。特に、普天間飛行場の沖縄県内移設の環境をつくるための北部振興策の実態を、名護市財政の実態を通じて解明することができた。沖縄県の経済構造が、公共事業・国庫補助金に大きく依存した経済構造であることが、沖縄における米軍基地維持政策の一環としての北部振興策が有効な政策手段となる背景であることも明らかにすることができた。こうした基地・補助金依存財政であることが、沖縄の自立的で内発的発展を阻害している重要な要因であることもある程度解明できた。沖縄の自立的で内発的発展は、基地・補助金依存財政から環境保全型財政への転換を図る必要があることを解明することもできた。 離島自治体財政と経済の実態調査を行い、国の財政資金である国庫補助金、地方交付税に大きく依存の財政構造と公共事業依存経済構造の批判的検証を進めてきた。引き続き、自立的島嶼経済を形成する財政政策の可能性について検討を継続する必要がある。 沖縄の地域経済の脆弱性を考えると税源移譲等の地方財政改革を行っても、沖縄の自治体は、引き続き国からの財政的補助を必要とすると思われる。今後の課題として、基地維持政策に有効な補助金政策から地域の自立を推進する補助金政策の理論的・実証的な研究が喫緊の課題となってきている。
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