平成13年度においては、主として日本とEUにおける年金、税制、そして年金税制の制度について調査、研究した。このため年金や年金税制に関する基本文献を読解した。 今年度(14年度)においては、制度研究をふまえて、インタビューによる実態調査、ヒアリングによる調査に注力した。具体的には、年金税制の利害関係者に面会をお願いし、年金税制に関する実態、要望、展望等を聞き取り調査してきた。とりわけ、年金基金が証券市場において、有力な機関投資家として影響力を強めていることに注目し、証券市場の活性化を展望し、年金税制はいかにあるべきか、という問題意識で調査、研究を進めてきた。 結果として、年金拠出金課税の整理統合、年金運用への課税問題、年金給付金課税のあり方等が課題として浮かび上がった。日本においても確定拠出型年金が開始され、従来の確定給付型年金との税制面の検討が必要になっている。 研究成果の一部は、2002年4月に出版された、拙著『日本の株式市場と外国人投資家』(東洋経済新報社)の第七章「株式相互持合いの解消と日本版401(K)の始動」である。また2002年8月16日付読売新聞の拙稿「個人マネーを株式市場に」、2003年3月19日付読売新聞の拙稿「不況対策としての投資教育」も成果の一部である。
|