本研究では、環境保全型製品やサービスの魅力度を高め、資源循環や環境保全に結びつくライフスタイルを普及・浸透させるための企業のマーケティング・コミュニケーションのあり方についての基礎的な研究を行うことが目的である。昨年度は企業の環境コミュニケーションの実態の把握とその効果を測定・分析するために、生活者の環境問題に対する認知や行動の特徴を関連研究のレビューや市場調査等から考察してきた。その研究に基づいて本年度は以下の研究を行った。 1.生活者の環境問題の認知や行動に関する調査データから、生活者の環境配慮型行動を規定する要因を特定化した。その結果は平成14年8月のthe Fifth International Eco-City Conferenceで発表した。 2.1の研究成果を踏まえて「生活者の環境配慮型行動規定要因モデル」を構築し、ゴミ減量化行動に関する調査データを用いてモデルの妥当性を検討した。その結果、モデルはデータとの適合度も高く、仮定したような因果性もほぼ確認できた。成果は平成14年12月の日本マーケティング・サイエンス学会研究大会で発表した。 3.リースシステムは商品のリサイクルやリユースを促進し資源循環を円滑に行える可能性が高いが、現実には資金調達の代替案として活用されている。そこで、関連する企業のヒヤリング等を行い、グリーンリースシステムの枠組みの構築とそれを実現化するための課題を整理した。その成果を専門誌に論文としてまとめた。
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