本研究は、わが国企業の新製品マーケティングの実態を明らかにするとともに、新製品の開発・生産・販売を含む新製品マーケティングの成果を規定する要因を析出するために計画された3年にわたる研究である。今年度は最終年であり、前年度に引き続いて新製品マーケティングに関する実態把握の調査や文献的な考察を行ってきた。昨年度と同様に、中堅中小企業を含む企業のマーケティング活動や、新製品マーケティングについてのヒアリング調査等を行った。特に、中小企業については昨年と同様に、中国地域ニュービジネス協議会ややまぐち産業振興財団などの協力を得て進めた。今年度は、流通企業による新製品の企画や開発の問題についても調査する機会を得て、相応の成果をあげるヒとができた。加えて、山口県の協力によって、消費者のプランド観についての調査や企業に対する商品やブランド開発についての調査を行うことができた。これらは新製品マーケティングの展開やその成果規定要因の研究という本研究の課題に対して、間接的ではあるが深く関係している。また、新製品成果におけるマーケティング・チャネルの構築と管理の重要性については、昨年と同様に、中国自動車企業の研究を通して考える機会をもつことができた。 本研究の成果の一部は、スエーデンで開かれたC&C研究会や日本商品学会西日本合同部会(高松大学、2003年12月)等で報告するとともに、幾つかの論文にまとめて発表することができた。C&C研究会では、本研究課題に密接に関連する報告が幾つかなされ、有意義に意見の交換をすることができた。
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