高度に統合されたビジネスプロセスの時間特性の最適化設計法

2002 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 13630132
• 研究機関: 筑波大学
• 研究代表者: 佐藤 亮 筑波大学, 社会工学系, 教授 (00178790)
• キーワード: ビジネスプロセス / 時間特性の最適化設計 / 業務取引システム / 業務取引ペトリネット / 離散事象システム / DEVS / プロジェクト管理 / 俊敏な生産スケジューリング

研究概要

ビジネスプロセス全体の最適化設計方法を開発してソフトウエアとして具体化することを目的として、以下の研究を行った。
(1)ビジネスプロセスの動的特性制御装置として計画部分に注目し、俊敏な生産スケジューリング計画システムを定式化し、シミュレータに組み込んで実験を行うとともに、投稿論文にまとめて投稿中である。さらに、より最適な組み合わせを求めるためのモデルの開発を進めている。
(2)プロジェクト管理と生産管理の共通的側面である日程計画について、統合基幹情報システム(ERP) SAP R/3に実現するための情報システム方法論としてquickIPPを提唱した。プロジェクト管理と、衣類の需要者と供給者をマッチングするウエブシステムの開発とを例として、国際会議で発表した。さらに、日程計画の一般的定式化を行い、投稿論文としてまとめて投稿中である。
(3)計画の情報システム自体が、計画コンポーネントというひとつの活動であるととらえると、これまでビジネスプロセスの分析設計理論を適用できる可能性が開けてきた。これはまだ一部のことが解明された状況である。すなわち、計画サイクルがビジネスプロセス全体の時間特性を律速する場合がどのようなものか、若干の例を解明した。特に、より実用的で大規模なビジネスプロセスとして、繊維業界のファッションビジネスアーキテクチャをモデル化して分析する研究を開始した。
15年度は確率的ペトリネットの理論を応用することと、計画コンポーネントの機能と全体特性との関連の研究を進め、プロセス全体最適化の理論と設計方法の発展を計る。

研究成果

• [文献書誌] Ryo Sato, Kentaro Hori: "Developing Quick Iterative Process Prototyping for Project Management : Linking ERP and Business Process Engineering"Proceedings of fourth international conference on enterprise information systems. Volume 2. 851-854 (2002)
• [文献書誌] Ryo Sato: "On Planning and Control of Business Processes"Proceedings for 2002 AI, Simulation and Planning in High Autonomy Systems. 299-302 (2002)
• [文献書誌] 蔡東倫, 佐藤亮: "APPCSにおけるシミュレータの提案"経営情報学会2002年春季全国研究発表大会予稿集. 242-245 (2002)
• [文献書誌] Ryo Sato, Tunglun Tsai: "An agile production planning and control with additional purchase orders"Institute of Policy and Planning Sciences Discussion Paper series. No.982. 1-24 (2002)
• [文献書誌] T.L.Tsai, R.Sato: "A UML Model of Agile Production Planning and Control System"Institute of Policy and Planning Sciences Discussion Paper series. No.999. 1-28 (2002)
• [文献書誌] 佐藤亮, 蔡東倫, 二村暢之, 小野栄一: "ERPを用いてビジネスプロセスを作り出すための情報システム方法論:quickIPP -日程計画業務の場合"Institute of Policy and Planning Sciences Discussion Paper series. No.1017. 1-24 (2003)