研究課題/領域番号 |
13630142
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
大谷 真忠 大分大学, 経済学部, 教授 (60040789)
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研究分担者 |
石井 まこと 大分大学, 福祉社会科学研究科, 助教授 (60280666)
幸 光善 大分大学, 経済学部, 教授 (40136776)
阿部 誠 大分大学, 経済学部, 教授 (80159441)
本谷 るり 大分大学, 経済学部, 助教授 (40315312)
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キーワード | 地域企業 / 大分県 / 人事システム / 雇用管理 / 人事評価 / 賃金管理 |
研究概要 |
本年度は、昨年度に実施した大分市内の企業の人事・雇用管理に関するアンケート調査を分析し、それを公表した。そこでは、次のような人事管理の特徴が明らかになった。 何らかの職能資格制度を設けている企業は約半数にすぎず、人事評価についても定期的に行っている企業は3分の1程度と少ない。人事評価を行っている場合、そこで重視されている点は、「仕事上の能力」がもっとも多く、「仕事上の業績、成果」、「仕事への取り組み姿勢」がそれに続いている。業績評価の指標については、「適当な数量指標がない」とする企業がもっとも多いが、次いで多いのは「個人別売上げ」「目標達成度」である。評価結果は、昇給・賃金の決定、ボーナスの査定に用いている企業が多い。最近の人事考課制度の変化では「処遇格差を大きくした」「能力のウェートを下げ、業績・成果ウェートを上げた」「具体的な数量目標を活用」「評価結果を本人に説明」の4項目が中心になっている。 採用管理の面をみると、30歳以上の中途採用の労働市場が活性化していることがうかがえる。ただし、規模の大きな企業では新卒採用が中心であり、中途採用は新卒採用の補完的な役割にとどまる。教育訓練については多くの企業が関心を持ち、これを行っている。他方、リストラについては「パート・アルバイトなど非正社員や派遣社員の積極的活用」が3割ともっとも高い比率を示すほか、「希望退職募集、整理解雇などによる人員削減」を行った企業も多い。100人以上規模の企業は全体的に事業再構築に積極的である。賃金では、賃金テーブルを利用しない企業が半数以上を占めている一方、一般職を対象にした定昇制度は56.4%の企業にあり、比較的定着している。賃金を決める要素としては、「職務遂行能力」がほぼ半数、ついで「仕事上の業績」が4分の1となっている。人事管理の課題としては「中核的人材・即戦力の採用」が半数を占め、もっとも重視されている。
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