研究課題/領域番号 |
13630151
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
高井 透 日本大学, 商学部, 助教授 (60255247)
|
研究分担者 |
神田 良 明治学院大学, 経済学部, 教授 (90153030)
|
キーワード | ボーン・グローバル / 持続的競争優位性 / 組織能力 / コア・コンピタンス / 戦略 / グローバル化 / 企業家 / ネットワーク |
研究概要 |
企業はなぜグローバル化するのか。そしていったんグローバルしたなら、どのような方法で競争優位性を構築するのか。これらの問題に答えるために数多くのグローバル化に関する理論が展開されてきた。例えば、企業は輸出から直接投資へと段階的にグローバル化を進めていくとする国際化の進化論モデルやプロダクトサイクル論。さらに、欧米日の超多国籍企業の戦略行動をベースに導き出された、適応性、効率性、知識移転を同時に達成するトランスナショナル・カンパニー論。しかし、これらの理論ではかならずしも説明できないようなグローバル戦略をとる企業が世界的に出現してきている。つまり、設立からすぐに海外戦略を指向し、既存理論で言われているような段階的国際化をたどらずに、設立からすぐにグローバル化を進め、特定の競争的強みを武器に国際市場に戦略を展開する企業である。このように設立当初から、グローバルに資源を調達、活用することでグローバル市場に製品を販売し、競争優位性を構築している企業をボーン・グローバル・カンパニー(以下BGC)と呼ぶ。このような企業の戦略行動は、日本ではほとんど解明されていないのが実状である。 本研究では、日本型BGCの戦略行動を事例およびアンケート調査という二つの方法を用いて解明した。その結果、下記のようなインプリケーションを導き出した。 (1)日本型BGCはかならずしも、できる限り競争回避する市場参入を選択しない。 (2)海外展開は、単に企業の成長を拡大するだけではなく、企業のパラダイム転換も促進する。 (3)事業の設立当初から市場をグローバルに捉えている。 (4)創業者は、事業を立ち上げる前からグローバルな人的ネットワークを持っていることが多い。
|