研究概要 |
○地域自立・適地生産型産業ネットワークのモデル化,日本生産管理学会論文集、Vol.9,No.1 研究代表者はこれまでの"大量生産・大量消費・大量廃棄"に代わる"知足生産・知足消費・極少廃棄"をめざす「社会的マニュファクチャリング・エクセレンス」を提唱してきた。今後はこれを更に発展させて,第二産業だけでなく第一産業・第三次産業を含む総合産業ネットワークを実現する必要があると考えられる。このためには,地域自立・適地生産の理論解析とともに,現実の地域社会での実行可能性を考究しなければならない。適地生産型産業ネットワークの今日的重要性を明らかにし,このネットワーク最適化を行うためのモデル化を検討した。この結果以下の7項目を評価特性として抽出した。(1)品質と機能,(2)経済的安定性,(3)エネルギー消費量,(4)物質循環率,(5)コスト,(6)速度,(7)情報量。これらの評価特性を各モノやサービスについて比較することにより,ある地域にとって最適なモノやサービスの流れを見出すための定式化を行った。 ○地域自立・適地生産型産業ネットワークに関する研究-地域自立の経済的意味の分析-,オフィス・オートメーション学会第45回大会予稿集 地域内で作るモノと地域外から購入モノを選別する基準を考えるために,2つの地域を仮定し、それぞれの地域で農産物とこの農産物を原料にした加工食品を作っているとして,両地域で技術レベルが上がり生産性が向上していくとき,各技術レベルで地域が自立と分業のどちらの方針をとるべきかを数値例を示すことにより検討した。この結果、技術レベルが低く需要が供給を上回っているときには,比較優位説によって説明されているとおり,互いが比較優位のモノを生産することにより両地域が豊かになるが、生産性が向上し供給が需要より大きくなると,分業により失業が地域自立より増加し,ひとつの地域が2製品について絶対優位にあるときは,その地域から絶対劣位にある地域に一方的にモノが流れる可能性があることがわかった。 ○統合化:生産システムを中心に,オフィス・オートメーション,23巻4号 "統合[化]"基本的意味を考察し、生産システム・産業ネットワークに関するシステム・インテグレーションの具象を挙げて、解説した。
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