研究概要 |
平成14年度の始めには、昨年度において海外共同研究者とアンケート項目や様式ついて合意したのであるが、具体的な実施段階になると幾つかの問題が生じ、研究代表者は海外共同研究者との調整に相当の時間をかけねばならなかった。同時に、日本進出企業からアンケートを回収し、その分析作業を開始した。回収率が低く、再度回答の要請を考えたが、予算、時間的な制約の関係で断念せざるをえなかった。統計的な処理、結果の評価を行い、論文を作成した。その結果を、2002年度日本管理会計学会のテーマセッションで報告し、会員から評価を受けた。大学紀要に発表した。 その後、シンガポール、マレーシア、タイの海外研究者のアンケート整理状況を確認し、研究代表者が作成した調査結果をモデルに、アンケート結果を集計し、文書化することを依頼した。11月までにそれらの作業を終了するよう依頼し、報告書を作成した。その報告書をもとに11月2日3日に九州大学国際交流研究プラザ(福岡)において、海外研究者を招聘し、プロジェクトについて会議を開催するとともに、調査結果について『アジア管理会計フォーラム』として国際会議を開催した。特に、韓国、香港からも著名な学者を招き、活発な議論をした。その成果は国際的なアジア管理会計学会を創設することに結びついた。本年11月にタイで会議が開催され、正式に発足することになる。さらに、アンケート調査結果はさらに「西村(管理会計の発展)モデル」を中心に再整理され、書物として刊行されることになっている。以上の数年にわたる科学研究費補助金のお陰で、研究代表者は、これまでのアジアの管理会計に関する成果を一冊の書物として近年中に刊行する予定である。Management Accounting : Feed Forward and Asian Perspective, Palgrave Macmillan.
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