平成13年度〜14年度の2年間において、研究課題「フィデュシャリー・アカウンティングに関する基礎的研究」に関して、つぎの2つの点で一定の成果をあげた。 ・フィデュシャリー・アカウンティングを形成する前提となる経済システムをフィデュシャリー・キャピタリズムとしてとらえ、その中心にフィデュシャリー・インベスターが位置している状況を明確にしたことである。それに対応して、フィデュシャリー・インベスターの投資行動がどのように代わり、それが会計のディスクロージャーに対してどのようなインパクトを与えているのかについて、一連のプロセスについての全体像を提示したことである。 ・フィデュシャリー・アカウンティングの問題が、会計制度レベルではいま、コーポレート・ガバナンス問題として表れていることを明らかにし、コーポレート・ガバナンスの会計(制度)問題がカネの運用を委ねられたフィデュシャリー責任と密接に関連していることについて、国内外の理論と制度の動向に照らして、検討した。
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