研究概要 |
本研究は、マルチメディアを利用してアソタル化された教材をコンピュータ・ネットワーク上で学生に提供するデジタル・ケーススタディによって、学生と学生、あるいは学生と教官が双方向的にケーススタディを進めることのできる会計倫理教育システムを開発することを目的とする。 会計倫理教育のあり方等については、たとえば講義を中心とした従来の授業形態では、現実の企業が抱える倫理的な問題を学生が身を持って学習することが難しいといった問題が残されている。 企業側においては、企業不祥事(特に粉飾決算)を未然に防止するために、法律や道徳も含めた広い概念である企業倫理に関する法令遵守のためのマニュアル整備や教育・訓練等を通じた研修が重要となってくる。企業人にもこのシステムによる研修は、不祥事の予防のために大いに役に立ちうるものである。 研究期間は2年であるので、本年度はケーススタディによって法律や道徳等の企業倫理の遵守という自己学習できるシステムの構築に絞って研究をした。 確かに予期されている結論に向けてたどり着くための学習という方向性からの出発では在るが,次年度は意思決定プロセスを含めて教官が学生らと対話しながら確認する学習展開が可能になり,また、暫定的な結論を出すまでの履歴、すなわち、問題意識から解答に至るまでのすべてのプロセスを記録し、後からネットワークを介して順次再現しながらレビューすることのできるシステムの構築を目指したい。
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