研究課題/領域番号 |
13640002
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松本 圭司 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30229546)
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研究分担者 |
島田 伊知朗 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10235616)
斎藤 睦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70215565)
前田 芳孝 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60173720)
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キーワード | モジュライ空間 / テータ関数 / 超幾何関数 / 周期写像 / 配置空間 |
研究概要 |
楕円曲線E_λの族に対して、E_λの周期を対応させる写像は、Gaussの超幾何微分方程式をみたす。また、その逆写像を考察することによりモノドロミー群の作用に関する保型関数・保型形式が得られることはよく知られている。楕円曲線E_λのかわりに、1次射影直線P^1の8点で分岐する巡回4重被覆C_xを考え、C_xの周期の構成および逆写像の記述を行った。C_xの周期の構成ではC_xの被覆変換から得られるC_xの位数2の自己同型に注目し、C_xのJacobi多様体の部分多様体であるPrym多様体を考えることにより、5次元超球内に実現することができた。さらにPrym多様体上のテータ関数の零点の様子、モノドロミー群に関するテータ関数の変換を綿密に追跡することにより、105個の5次元超球上の保型形式で周期写像の逆を与えるものを具体的に構成することができた。 複素n次元超球上の整数環Z[ω]に関するレベル(1-ω)の保型形式を複素n次元超球の(n+1)次ジーゲル上半空間への保型埋め込みとテータ関数をもちいて構成した。複素n次元超球には自然に実n次元超球がふくまれているが、構成した保型形式たちは実n次元超球上では実数値をとり、整数係数直交群のレベル3主合同群の作用で不変な保型関数となることも示した。さらにn=4のときには、それらの保型関数を並べてできる実4次元超球から実79次元射影空間への写像の像を決定した。 複素射影平面内の4次曲線は種数3のリーマン面で、そのモジュライ空間は複素射影平面上の7点の配置空間とみなすことができる。この空間を3次元複素射影空間上の8点の配置空間内に埋めこむことでこの空間に作用するE_7型ワイル群の作用がとても扱いやすくなる。この埋め込みを利用した4次曲線の周期の研究の準備が整いつつある。
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