研究課題/領域番号 |
13640004
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
竹ケ原 裕元 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (10211351)
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研究分担者 |
千吉良 直紀 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (40292073)
佐藤 元彦 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (30254139)
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キーワード | 有限群 / 半直積 / 準同型 / p-群 / 環積 / 母関数 |
研究概要 |
まず、有限群とその群に作用する有限巡回群の半直積について、補群の個数が有限群の位数と有限巡回群の位数の最大公約数に一致するならば、その最大公約数を割る素数pについて有限群のSylow p-部分群は、位数が十分大きい場合に、巡回群、一般4元数群、2面体群、準2面体群に限ることを村井正文氏との共同研究により得た。さらに、同じ条件のもとで作用に関するある制限を仮定すれば、有限巡回群のある1つの生成元との積で補群の生成元となるような有限群の元の全体は群を成すことが示された。この研究は解決されているFrobenius予想の一般化を示唆していて、今後さらに発展すると考えられる。また最初に述べた結果から、有限群の半直積の補群の個数を研究する際の難しい部分は上記の特殊な群に関わってくるだろうことが推測される。 次に、有限群から有限群への準同型の個数がある合同式を満たすという予想が、有限群の半直積の補群の個数がある合同式を満たすという予想に拡張されるということが、浅井恒信氏、千吉良直紀氏、庭崎隆氏との共同研究により得られた。準同型の個数に関する合同式の予想はp-群の可換p-群による半直積の補群の個数に関する合同式の予想の還元であることが示されたわけで、理論の見通しがよくなったといえる。 最後に、対称群による有限群の環積の部分群の系列をうまく与えるとき、任意の有限生成群からそれらの部分群への準同型の個数の指数型母関数が、有限生成群の置換表現により定式化される指数関数の和として表されることが示された。この研究は千吉良直紀氏、T.Muller氏、K.Wohlfahrt氏、吉田知行氏等による一連の研究の延長線上にあり、この種の環積への準同型の個数の母関数が広い意味で決定されたことになる。
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