研究分担者 |
北詰 正顕 千葉大学, 理学部, 教授 (60204898)
越谷 重夫 千葉大学, 理学部, 教授 (30125926)
野澤 宗平 千葉大学, 理学部, 教授 (20092083)
丸山 研一 千葉大学, 教育学部, 助教授 (70173961)
越川 浩明 千葉大学, 教育学部, 教授 (60000866)
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研究概要 |
有限群の指標環の環としての構造を研究した。その際、有力な方法の一つとして考えられるのは単数群の構造を調べることである。有限群の指標環の位数が有限の単数からなる単数群の構造は既に知られている。K.Yamauchiの論文Hokkaido Math.J.Vol.20(1991),477-479を参照せよ。この1年間の研究で、有限群の指標環の無限位数の単数を具体的に構成することが出来た。以下にその概略を述べる。先ず記号の説明から始める。G:=有限群,R(G):=Gの指標環,U(R(G)):=Gの指標環の単数群,|G|:=Gの位数,G':=Gの交換子群,p(【greater than or equal】5)を素数とし,ωを1の原始p乗根とする。このとき次の定理が得られた。 定理1 (1+ω^j)/(1+ω^i)(1【less than or equal】i,j【less than or equal】p-1,i≠j,i+j≠p)はZ[ω]の単数である。従って(1+ω^j)/(1+ω^i)=f_<ij>(ω)(f_<ij>(x)∈Z[x])とおけば、f_<ij>(1)=1が成り立つ。 定理2 ε=±1でη,θ,λを1の原始p乗根、(θ+1)/(η+1)=ε又はελが成り立つものとする。このとき次の(i),(ii)が成り立つ。(i)ε=1(ii)η=θ又はηθ=1 定理3 G=<a>を位数pの巡回群とし、ψを、ψ(a)=ωで定義されるGの1次の指標とする。このとき±f_<ij>(ψ)は無限位数なるR(G)の単数である。ここにf_<ij>(x)は定理1で定義された関数である。 定理4 pは|G|の約数で、H=<a>を位数pのGの巡回部分群とする。±f_<ij>(ψ)を無限位数なるR(H)の単数とする(すなわち、定理3で構成された単数)。このとき±f_<ij>(ψ)^<【cross product】G>はR(G)の単数である。ここにf_<ij>(ψ)^<【cross product】G>はf_<ij>(ψ)のGへのtensor inductionである。tensor inductionについてはD.GluckとI.M.Isaacsの共著論文Illinois J.Math.Vol.27(1983),514-518及びI.M.Isaacsの論文Advances in Math.Vol.43(1982),284-306を参照せよ。 定理5 pが|G/G'|の約数ならば、R(G)は無限位数の単数をもつ。
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