研究課題/領域番号 |
13640011
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小木曽 啓示 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (40224133)
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研究分担者 |
松尾 厚 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (20238968)
寺杣 友秀 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (50192654)
川又 雄二郎 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (90126037)
金銅 誠之 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (50186847)
吉川 謙一 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (20242810)
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キーワード | フェルマー4次元曲面 / 自己同型群 / K3曲面 / 超ケーラー多様体 / 小平問題 / 有限単純群 |
研究概要 |
2003年度は以下の3つの論文を作った(1,3は単著、2は共著)。 1.K.Oguiso:"A characterization of the Fermat quartic K3 surface by means of finite symmetries",accepted by Compositio Math. 2."The Alternating Group of degree 6 in Geometry of the Leech Lattice and K3 Surfaces"(with JongHae Keum and De-Qi Zhang ; math.AG/0311462,投稿中) 3."Automorphism groups of generic hyperkahler manifolds - a note inspired by Curtis T.McMullen"(math.AG/0312515、投稿準備中) 以下、字数の都合上3についてのみ解説する。McMullen氏は複素力学系の立場から、Siegel Diskをもつ自己同型という興味深く複雑な自己同型を有する複素K3曲面(McMullen's K3と以下呼ぶ)を発見した。このような自己同型の位相的エントロピーは必然的に正であり、McMullen's K3は必然的に代数次元0になる。本論文の内容はすべて氏の発見に触発されたものである。まず、McMullen's K3の全自己同型群そのものは単純な形になってしまうことが、次のように、超ケーラー多様体に拡張した形でわかった:倉西族においてgenericな超ケーラー多様体、より精密には、Neron-Severi群がBeauville-Fujiki形式(K3の場合はカップ積と一致する)に関して{0}あるいは負定値である超ケーラー多様体の全自己同型群は、有限群の違いを除き、自由アーベル群Zまたは単位群と同型になる。また、各次元においてどちらも実現可能性である。証明にはYau先生によるCalabi予想の解決結果とともにDirichletの単数定理とSalem多項式(ある意味で円周等分多項式の次に単純な多項式)の概念が大切になった。ところで、任意のコンパクトケーラー多様体は(変形の意味で)射影多様体の極限として得られるかという問題、いわゆる小平問題、があった。最初の反例(非単連結あるいはrigidなもの)がVoisin女史によって発見された。本論文では、更に、McMullen's K3とその自己同型を用いて、単連結ケーラー多様体の反例を4次元以上の各次元で、単連結かつnon-rigidなケラー多様体の反例を6次元以上の各次元で構成した。
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