研究概要 |
素数と結び目,代数体と3次元多様体の類似について研究し,以下の成果を得た。これについて学術論文4篇と論説2篇を著した。また,日本数学会,代数学シンポジウム(平成14年8月8日)及び,米国数学会年会Special Session.(平成15年1月15日),日米数学研究所Primes & knot conference(平成15年3月8日)で招待講演を行った。日米数学研究所のconferenceでは,組織委員も努めた。具体的な研究内容は次の通り。 1)代数体の単項化問題,Hilbertの定理94の類似を3次元多様体の被覆について,定式化し,結果を得た。これについて論文1篇を著した(to appear)。 2)絡み目のMilnor不変量とMassey積の関係の類似を,素数たちに対して求めた。これに関して,分枝条件をもつGalois群のGalois cohomologyにおけるMassay積の構造を考察した。これは従来にはない,数論への位相幾何的なアプローチである。これについて論文1篇を著した(to appear) 3)結び目のAlexander多項式の力学系のZeta関数としての解釈について,数論の岩澤理論的視点から考察した。 4)3次元Chern-Simons理論における,経路積分を用いた量子不変量と数論におけるアデール群上のZeta積分との類似について考察した。 3),4)について,survey articleを1篇,論説2篇(日本語)を著した。 また,Galois群のP進表現と結び目群の表現の類似性についても考えた。 この研究課題について,平成14年12月,九州大学で集中講義を行った。
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