• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

保型表現・L関数の研究

研究課題

研究課題/領域番号 13640018
研究機関京都大学

研究代表者

池田 保  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20211716)

キーワードジーゲル保型形式 / L関数
研究概要

1変数のモジュラー形式から2次のジーゲル・モジュラー形式への持ち上げは1970年代の後半に、齋藤・黒川によって独立に予想され、1980年頃にマース、アンドリアノフ、アイヒラー、ザギエ、ピアテツキー=シャピロらによって証明された。この持ち上げは今日では齋藤・黒川リフトと呼ばれている。数年前、筆者は齋藤・黒川リフトを高次のジーゲル保型形式に対して拡張した。今年度の研究により、この結果の類似を高次のエルミート型の保型形式に対して拡張することができ、やはりフーリエ係数を具体的に表す公式をえた。また、このようなリフトをある種の一変数の保型形式の空間からの線形写像として定式化することもできた。これについては現在論文を投稿中である。
ジーゲル保型形式に関して筆者が構成したリフトはアイゼンシュタイン級数の類似物とみなすことができ、これを対角集合への制限を核関数とすることにより別の種類のリフトを得る。これは今日宮脇型のリフトと言われるものであるが、この宮脇型のリフトの内積を与える予想を定式化することができた。これに関しては宮脇型のリフトの論文と合わせて現在論文を投稿中である。
一変数の保型形式に関する3重L関数についてはギャレットによる積分表示公式の発見以後、多くの研究者によって研究されている。3重L関数の特殊値は保型形式の重さによって定値、不定値の2通りの可能性があるが、不定値の場合の方が研究が難しく、ハリスとクドラによる結果が知られているのみである。筆者は大阪市立大学の市野篤史氏との共同研究により、3重L関数の不定値の特殊値がエルミート型のマース・リフトと齋藤・黒川リフトの内積によって表されることを示した。この結果はグロス・プラサッドの予想から予言される結果とほぼ整合する。この結果についても現在論文を投稿中である。
さらに、グロス・プラサッドの予想を精密化し直交群、ユニタリ群上の保型形式の周期とL関数の特殊値を結び付ける研究を市野氏との共同研究として遂行中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2001

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] On the lifting of elliptic cusp forms to Siegel cusp forms of degree $2n$2001

    • 著者名/発表者名
      T.Ikeda
    • 雑誌名

      Ann.Math. 154

      ページ: 641-681

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi