研究概要 |
課題(A-1)に関連して:点上正則に作用する自己同型群を持つ一般化された四辺形の研究が、任意の有限位数に対して開始され、多くの有用な補題が得られた。これらは位数(s, s)の場合のGhinelliの研究成果の拡張になっている。この応用として、例えば位数(s^2,s)のそのような四辺形の非存在が示された(成果は2001年秋季日本数学会にて発表)。小さな位数の場合、知られている例以外存在しないことも確認できる。 課題(A-2)について:高次元の双対超卵型が埋め込まれる空間の次元に関する制限が得られた。この制限は、係数体が二元体以外の時ならば最良であるが、二元体の時は知られる実例より2次元大きい。これが最良かどうか現在考察中である(関連成果 雑誌論文1,2,3)。 課題(B-1)について:吉荒と澤辺正人氏(学振特別研究員,阪大滞在中)の2001年秋のセミナーを通じて、積と共役について閉じたp-部分群のなす複体のホモトピー同値変形理論について、氏が昨年得た結果を含む更に簡明な理論が澤辺氏により得られた。吉荒は雑誌論文4等における変形の具体例を示すことにより、理論の簡明化に貢献した。 課題(B-2)について:研究代表者による幾つかの散在型単純群のradical部分群の分類に基づき(雑誌論文5)radical chainの分類・その正規化群の構造が得られる。O'Nan群に関するこれらの情報に基づき、Dade予想がこの群に対して成立することが、宇野勝博氏(阪大理)との共同研究により示された(雑誌論文6)。引き続きThompson群,Lyons群に対する検証が宇野・澤辺氏によりほぼ完成しており、吉荒はradical chains等に対する多少の情報提供を行っている。
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