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2003 年度 実績報告書

差集合と有限幾何との関係に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13640032
研究機関熊本大学

研究代表者

平峰 豊  熊本大学, 教育学部, 教授 (30116173)

研究分担者 吉荒 聡  東京女子大学, 文理学部, 教授 (10230674)
伊藤 仁一  熊本大学, 教育学部, 教授 (20193493)
キーワード群 / 差集合 / transversal / 対称デザイン / 群環
研究概要

位数muの群Gのk-部分集合Rが位数uの部分群Uに関して(m, u, k, r)差集合であるとはRがG/Uの代表系でG-Uの各元がxy^<-1>(x, y∈R)の形にちょうどr通りに表されることをいう.このようなRがあれば群の演算を利用して,Gの部分集合の族としては{Ra : a∈G}を,点集合としてはGを考えて分割デザインが構成される。またU=1なら対称デザインとなる。
平成15年度は(m, u, k, r)=(2n,2,2n, n)のときに,差集合が非可解群,とくに単純群群の場合に存在するかという問題について研究した。このため伊藤昇により導入された位数4nの群Gの2n-部分集合Rが左アダマールtransversalである、という概念(つまり、G=R<t>, t^2=1,RR^<(-1)>=nS_1+2nS_22n, S_1,S_2⊂G)でR^<(-1)>={d^<(-1)>|d∈R)を考えた。これは自然な条件(*)R≠xR,1≠x∈Gのもとでは(**)RR^<(-1)>=R^<(-1)>R=2n+n(G-<t>)と同値となる。Gの可移置換表現を用いることにより本年度の研究の成果として次を得た。
定理 Gを位数4nの群とし,<t>をGの位数2の部分群とする.Rが<t>に関する左アダマールtransversalで条件(*)R≠xR,1≠x∈Gをみたすものとする。このとき,G=[G, G]H, t∈H, t^G⊂Hをみたす部分群HをGがもてば成分が整数のv次正方行列BでB^TB=BB^T=(n/2)Iをみたすものが存在する。
ここでv=([G : H](|t^G|-|t^G∩H|))/(2|t^G|)とする。
上の定理で,特に群Gが有限集合Ω上の可移置換群の形で与えられているときは次の命題が直ちに言える.
命題 (G,Ω)を次数r(>4)の置換群で交換子群[G, G]が可移であるとする.位数2の元tの固定点がr-4個で,|G|のsquare free partがP≡3 (mod4)なる素因数を持てばR≠xR (x∈G)なる左アダマールtransversalは存在しない。
この命題を用いることにより非可解群について次の結果を得る。
系 群A5,S5,A7,S7,PSL(2,7),PGL(2,7)は左アダマールtransversal Rで条件(*)R≠xR,1≠x∈Gをみたすものを持たない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yutaka Hiramine: "On (2n,2,2n, n) relative difference sets"Journal of Combinatorial Theory, Series A. 101. 281-284 (2003)

  • [文献書誌] S.Yoshiara: "Ambient spaces of dimensional dual arcs"Journal of Algebraic Combinatorics. 19. 5-23 (2004)

  • [文献書誌] J.Itoh, T.Zamfirescu: "Acute triangulations of the regular icosahedral surface"Discrete and Computational Geometry. (発表予定).

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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