研究課題/領域番号 |
13640038
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
河田 成人 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50195103)
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研究分担者 |
浅芝 秀人 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70175165)
住岡 武 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90047366)
津島 行男 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80047240)
加戸 次郎 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (10117939)
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キーワード | 有限群 / 表現論 / Auslander-Reitenグラフ / 群環 / 多元環 / Auslander-Reiten列 / 整数表現 / 直既約加群 |
研究概要 |
アルティン環の表現論において駆使されているAuslander-Reitenの理論を、有限群の表現論の研究に応用すべく研究を進めてきた。特に、完備離散付値環上の表現(以下では整数表現とよぶ)に着目し、そのAuslander-Reiten有向グラフ(以下ではARグラフという)とよばれるグラフの形状に関して考察した。そして"自明なソースをもつ加群"はARグラフの端点に位置するということをつきとめた。ここで自明なソースをもつ加群とは、部分群の自明な加群を誘導してできる加群の直既約因子として現れる重要な加群のことである。この事実は言い換えると、自明なソースをもつ加群のAuslander-Reiten列の中間項は直既約であるということだが、この種の加群が属するARグラフの連結成分の形状を解明するための大きな手がかりになると期待される。また、この結果とAuslander-Reiten理論の基本定理から、位数が素数の3乗以上の素数巾の有限群の完備離散付値環上の群環は無限表現型である、という有限群の整数表現における表現型についてのHeller-Reinerの定理の簡単な別証明をすることができた。ここで多元環が無限表現型であるとは、直既約な表現加群の同型類が無限個存在するときをいう。 尚、加群の射影性と入射性が同値となる多元環は自己入射的と呼ばれ、群環はそのなかでも注目されている例である。自己入射的多元環の表現論の研究を推進している分担者の浅芝は、海外旅費を使用して、カナダのフィールズ数理科学研究所において開催された「多元環の表現論に関する国際会議」に出席し、"Derived equivalences between selfinjective algebras with a double covering by a trivial extension algebra"と題してその成果を講演した。
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