研究概要 |
(1)(関口)単純Lie環のベキ零軌道をテーマにして,カナダのWaterloo大学のD.Z.Djokovic教授とここ数年,共同研究している.すでに論文"The closure ordering of adjoint nilpotent orbits in so(p, q)"をN.Lemireとの3名共著で出版しているが,その後,平成13年9月にWaterloo大学に訪問して,共同研究をした.2つの既約な例外型複素対称対をとったとき,それらに付随するベクトル空間V_1, V_2をとる.自然な条件の下で,V_1はV_2の部分空間になる.このとき,V_1の任意のベキ零軌道O_1はただひとつのV_2のベキ零軌道O_2の部分集合になる.O_1をとったときO_2を決定することを問題にした.その結果は論文"Mapping of nilpotent orbits under embedding of real forms of exceptional complex Lie algebras"にまとめて,現在投稿中である.このような既約な対称対のうちで,制限ルート系がF_4型になるものが3種類ある.それらの場合に焦点を当ててこの論文の内容の一部と,閉包関係について議論した報告を"Nilpotent orbits of the complex symmetric pairs whose restricted root systems are of type F_4"にまとめた.これはある報告集に掲載される予定である. (2)(関口)半単純対称対に付随するベクトル空間の元が半単純であるということを定義できる.さらに半単純元が楕円的,双曲的であるという条件も定義できる.特に双曲的な半単純元の軌道を考える.このような軌道を双曲軌道と呼ぶことにする.双曲軌道はある旗多様体の開部分集合と群作用込みで同一視できることを示した.この結果はSingaporeで開催されたNUS-JSPS Workshop on ALGEBRA(8-13 July 2001)で発表した. (3)(関口)千葉大学や京都大学での研究集会,また都立大学や東京大学でのセミナーで研究成果を発表したり以前の成果の解説をした.
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