研究概要 |
代数曲線上の2点を台に持つ因子から得られる符号について,1点符号の場合のGarcia-Kim-Laxの定理に相当する事柄をWeierstrass pairの理論の枠組みで定式化し,それをHermitian曲線の場合に適用することによって,1点符号よりもパラメータの意味で良いものが構成できる事をHomma-Kim (J. Pure Appl. Algebra,2001)で示した.さらに,Weierstrass pairの理論を深化させるため,Weierstrass pointの理論に範をとりながら研究をすすめ,問題の曲線から射影直線への被覆の完全不分岐となる2点についてのgap集合を記述する良い手段を見出した. また,特殊線形系自身の研究としては,Castelnuovoの種数評価式の新たな視点からの解釈を得て,特殊因子のorder of specialityという概念に基づくく研究手法を提案した.この概念による平面曲線の分類はHomma-Ohbuchi (Far East J. Math. Sci.)として発表予定であり,高次元の空間内の曲線については,Ballico-Homma-Ohbuchi (Korean J. Math.)として公表される. なお,2002年1月28日-31日の日程で山口大学において代数曲線論国際会議を開催し,符号理論と関連した代数曲線論の第一人者として,Arnaldo GARCIA (IMPA教授,ブラジル),特殊線形系の専門家であるSeon Ja KIM (Chungwoon大学助教授,韓国),また幾何学的視点からSijong KWAK (KAIST助教授,韓国)を招聘し本研究課題のそれぞれのトピックに関し議論した.その成果は来年度の研究過程において現れるであろう.
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