研究概要 |
有限体上定義された代数曲線上の2点を台に持つ因子から得られる符号について,1点符号の場合のGarcia-Kim-Laxの定理に相当する事柄をWeierstrass pairの理論の枠組みで定式化し,それをHermitian曲線の場合に適用することによって,1点符号よりもパラメータの意味で良いものが構成できる事をHomma-Kim(J. Pure Appl. Algebra,2001)で示したが,Hermitian曲線の場合に,2点を台に持つ因子から得られる符号全てについて,それらのパラメータを決定しようという研究に踏み出し,かなり状況が把握されつつある:もう少し詳しく述べれば,P, Qを問題のWeierstrass点,因子mP+nQに対応する符号をC(m,n)と表すとき,(1)パラメータ決定の意味では,C(m,n)が自明でないような全ての(m,n)について考える必要はなく,0【less than or equal】n【less than or equal】qの範囲で記述すれば十分であること;(2)上記の範囲の各nについて,dimC(m,n)>dimC(m-1,n)となるmは完全に記述できたこと(これは,dimC(m,n)が記述できたことを意味する);(3)n=0および,n=qの場合には最小距離も完全に記述できたこと;(4)任意のnについても,mが比較的小さな値の場合とmが比較的大きな値の場合には最小距離が完全に記述できたことなどである. また,2002年1月28日-31日の日程で山口大学において代数曲線論国際会議を開催したが,その報告集を今年度に纏めた.
|