研究概要 |
6次元球面S^6にはケーリー数の積を用いて慨複素構造が定義されることが知られている.この慨複素構造に関連した部分多様体の諸性質について以下の結果を得た. S^6の接空間のp次元部分空間全体のなすグラスマン束をG_p(TS^6)とする.ケーリー数の自己同型全体のなす群G_2のG_p(TS^6)への作用の軌道をΣとする.S^6のp次元部分多様体で接空間がΣに含まれるものをΣ部分多様体という.S^6のJ正則曲線で、その上の第1(または第2)法束則方向の適当な半径の管がΣ部分多様体になるものの分類を完成した. S^6の3次元極小CR部分多様体で,Chenの不等式の等号が成立しているものの分類について研究した.上記の性質を持つ部分多様体のリーマン計量を具体的に記述し,逆に,このリーマン計量に対して,上記の性質を持つ部分多様体が構成できることも示した.もっとも簡単な場合については,はめ込みも具体的に表示できているが,それ以外の場合についてはめ込みを具体的に記述することは今後の課題である.この部分多様体はaustere部分多様体の例にもなっている. S^6の2次元部分多様体Nおよび4次元部分多様体Mに対して,交点数 #(M∩gN)(ただしgはG_2の元)のG_2上での積分を記述する公式(ポアンカレの公式)を得た.
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