研究概要 |
6次元球面の部分多様体をグラスマン幾何学の立場から研究した. 6次元球面には例外型コンパクトリー群G_2が作用するが,その作用を6次元球面の接空間のp次元部分空間全体のなすグラスマン束に拡張する.このときのG_2の作用の軌道を考えると、p=3のときには軌道空間は実射影空間でパラメトライズされる.軌道Σに対して6次元球面の3次元部分多様体でその接空間がΣに含まれるものΣ部分多様体とよぶ.Σ部分多様体の特殊な場合として全実部分多様体やCR部分多様体がある. (1)部分多様体を、既知の部分多様体上の管として構成する手法は広く用いられている.6次元球面のJ正則曲線上の管として得られる部分多様体でΣ部分多様体になるものを決定した.また,これに関連して橋本は谷口-宇田川と協力してトーラスから6次元球面へのJ正則曲線の構成法を与えた. (2)B.Y.Chenが1991年に示した不等式で等号が成立する部分多様体の研究は多くの幾何学者により様々な場合について研究がなされている.6次元球面内の部分多様体についてもDillen-Vranckenらによる全実部分多様体の場合の研究があるが,我々は6次元球面内の3次元CR部分多様体でさらに極小部分多様体であるものについて,Chenの不等式で等号が成立するものを決定した.
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