研究概要 |
研究集会「結び目と3次元多様体の不変量に関するトポロジー」を,平成13年9月17日〜9月21日の期間,京都大学数理解析研究所において,同研究所の平成13年度プロジェクト研究「21世紀の低次元トポロジー」の一環である同研究所の共同利用計画(短期共同)として,開催した.出席者は96名であり,内26名が国外からの参加であった.外国人招待講演者に旅費と滞在費を支給し,また日本人招待講演者と研究集会参加者に(とくに若手研究者を中心に)旅費滞在費の援助をおこなった. 歴史的にはこの分野は1980年代にChern-Simons場の理論の相関関数として結び目と3次元多様体の量子不変量という膨大な数の不変量が発見されたことに由来する新しい研究領域である.この分野に関してこの20年間になされたさまざまな研究によりChern-Simons場の理論の相関関数をトポロジーの立場から理解する作業はほぼ完了しつつあり,不変量の研究はその意味で現在転機をむかえているとおもわれる.そのような時期である今,国内外の一線の研究者が本研究集会に集まり研究発表・討論できたことは,この分野の研究の今後の展望を考え,参加者で認識をともにする上で,きわめて有意義なことであった. 本研究集会のProceedingsはオンラインジャーナルGeometry and Topology Monographsから出版される予定であり,本研究集会における具体的な研究成果はここにまとめられる.とくに参加者から提出された数々の未解決問題は,研究集会のproblem sessionにおける討議をへて大槻により編集され,百数十ぺ一ジにおよぶ未解決問題集としてまとめられつつある.この未解決問題集もProceedingsの一部として出版される予定である.この分野の今後の動向の指針となることを期待したい.
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