研究課題/領域番号 |
13640074
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
阿賀岡 芳夫 広島大学, 総合科学部, 助教授 (50192894)
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研究分担者 |
今野 均 広島大学, 総合科学部, 助教授 (00291477)
中山 裕道 広島大学, 総合科学部, 助教授 (30227970)
宇佐美 広介 広島大学, 総合科学部, 助教授 (90192509)
山口 佳三 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00113639)
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キーワード | 曲率 / 微分方程式 / 主バンドル / 内在的微分 / テンソル / ヤング図形 |
研究概要 |
曲率を微分方程式で特徴付けるためには、1階微分方程式について考察するだけでは不十分であり、更に高階のものを考慮に入れる必要がある.主バンドルの構造群が半単純の場合、2階までの微分方程式を考えれば十分であることが知られていることもあり、今年度は特に2階の微分方程式、及びそれに関連する課題として多様体上の内在的微分についての研究を行った. 1.構造群のリー環が2-step nilpotentの場合について、1階の微分方程式のときと同様ある線形写像の像の定義方程式という形で2階の微分方程式を捕らえる枠組みを構成した.これにより原理的にはすべての2階微分方程式を得ることが可能になった.その一つの応用として、いくつかのリー環について独立な2階微分方程式の個数を計算した.(例えばハイゼンベルグリー環の場合、多様体の次元nが5以上のとき、その個数はn(3n^3-2n^2-23n-10)/8個となる.) 2.曲率の満たすべき2階の微分方程式を具体的に表示するには、多様体の座標系の選び方に依存しない微分作用素、つまり内在的微分作用素が必要となる.1階の微分方程式の場合は、そのような微分作用素として外微分を考えるだけで十分であったが、2階の場合にはそれ以外の新たな(非線形)内在的微分作用素が必要になる.この課題に関しテンソル空間における表現論、特にヤング図形に関わる組合せ的表現論の理論を基礎にしてある種の消去法を実行することにより、5次元以上の多様体において、2形式に作用しある種のテンソル空間に値をとる2階の非線形な微分作用素の存在を確認することができた.その具体的な形についてはまだわかっておらず、それを求めることが今後の課題である.
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