研究概要 |
平成13年度は第2ベッチ数1をもつC^3のMoishezonコンパクト化の決定について主に研究を行った.このようなC^3のコンパクト化の問題は第2ベッチ数1なる,特異点として端末特異点のみを有するFano3-fold Vの分類問題と深く関係することはこれまでの研究で明らかになっている.今、b_i(X)にてVの第i次ベッチ数を表すとき、Vは特異点を持つので一般にはb_2(V)≠b_4(V),即ち,Poincare dualityは成立しない.こうして,2つの場合が生ずる.(1)b_2=b_4=1の場合,または(2)b_2=1≠b_4の場合. (1)の場合はVはP^5に於ける次数d=4のFano 3-foldV_4またはP^<11>に於ける次数d=18のFano 3-fold V_<18>であることが分かった。一方,(2)の場合であるが,この場合,VはP^6に於ける次数d=5のFano 3-fold V_5またはP^<13>に於ける次数d=22のFano 3-fold V_<22>であることが分かった。これにより,第2ベッチ数1なる,特異点として端末特異点のみを有するFano3-foldのsmall resolutionとして得られるC^3のMoishezonコンパクト化は上述の4つのタイプしかないことが分かった.これらの結果は現在論文として投稿準備中である。また,これらの研究の副産物として,Non-normal del Pezzo surface Yのanti-dualizing sheafω^<【cross product】-3>_Yのvery amplenessが証明された(これは,宮西氏によって1982年に提起された問題である。)
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