今年度わたしはふたつの主題についての研究をおこないました。これらのうちの第一のものは複素多様体の間の正則写像の空間の位相です。東京電気通信大学の山口耕平氏と東京都立大学のマーチンゲスト氏との過去の共同研究においてわれわれはリーマン球面(より一般的にリーマン面)と複素射影空間の間の正則写像の空間の位相を調べました。今年度、山口耕平氏と私は複素次元が1より大きい2つの複素射影空間の間の正則写像の空間の位相を研究することを始めました。われわれはもっとも単純な場合、次数が1の正則写像の場合、G.Segalがソース空間が複素次元1である場合に得た結果と同様の結果を得ました。 われわれの論文"Spaces of holomorphic maps between complex projective spaces of degree oneは学術雑誌"Topology and Its Applications"に投稿中です。 わたしが亀子正喜氏と三村護氏と進めているもうひとつの計画は部分基本アーベル群の分類空間のコホモロジーへのワイル群の作用の不変式の直接計算による例外リー群の分類空間のコホモロジーの計算に関してのものです。この方法はVavpeticにより例外リー群F_4の分類空間のコホモロジーを計算するのに用いられています。わたしはこの計算を自動的におこなうことのできるMathemaitcaプログラムを書きました。われわれは近い将来これを他の例外リー群のコホモロジーにも応用するつもりです。 この両方の話題は2002年3月のワルシャワ大学における講義の主題です。
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