研究課題/領域番号 |
13640091
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
中島 和文 立命館大学, 理工学部, 教授 (10025489)
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研究分担者 |
新屋 均 立命館大学, 理工学部, 教授 (70036416)
成木 勇夫 立命館大学, 理工学部, 教授 (90027376)
藤村 茂芳 立命館大学, 理工学部, 教授 (30066724)
加川 貴章 立命館大学, 理工学部, 助教授 (90298175)
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キーワード | 複素多様体 / 等質空間 / ケーラー代数 |
研究概要 |
この研究では、半単純リー群Gとそのリー環の元Zから出発して、GをZの中心化群C(Z)で割った等質空間について、不変ケーラー構造を持つ条件、不変ケーラー構造の構成を問題としてきた。Gがコンパクトの場合には、上記の等質空間には常に、Zだけで記述しうる不変ケーラー構造が構成出来ることが判っていたが、新たに、次の結果を得た。 (1)C(Z)が極大であることと、C(Z)の中心の次元が1であることは同値である。一般に、半単純リー群の等質ケーラー多様体G/C(Z)の研究は、本質的には単純リー群の場合のみを考察すればよいわけであるが、この場合、G/C(Z)が対称空間ならばC(Z)の中心の次元は1であることはよく知られている。上記の事実は、C(Z)の中心の次元が1に成るような不変ケーラー構造が常に存在する事を示しており、半単純リー群の等質ケーラー多様体について、対称空間との類似性を研究する上で興味深い。 等質ケーラー多様体の研究は本質的にはケーラー代数の研究に帰着する。ケーラー代数の構造についてはJ.Dorfmeisterのmodification理論が有力であるが、今回(2)modification理論の整備を行い、いくつかの有効な結果を得た。 ここで得られた事実は、「等質ケーラー多様体に関する基本予想の肯定的解決」の証明を簡略化するのに有効であり、同時に、一般の等質ケーラー多様体の構造を調べる上で重要と思われる。
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