研究概要 |
1.P_0とP_1をR^d上の確率分布、h(u):R^d〓〔0,∞)を凸関数とする。(1)連続なR^d値セミマルチンゲール{X^ε(t)=X^ε(0)+∫^t_0u(s)ds+εW(t)}_<0【less than or equal】t【less than or equal】1>(但し、W(t)は、d次元ウィナー過程で、u(s)は、ある情報族に関して前向き可測とする)で、t=0とt=1で確率分布P_0とP_1を持つものの内で、E〔∫^1_0h(u(t))dt〕を最小にするものが存在し、それはマルコフ過程であり、そのε→0の極限が存在して、それがコスト関数をh(u)とするMonge-Kantorovich問題(MKP)の最小解{φ(t)}_<0【less than or equal】t【less than or equal】1>であることを示した。(2)d=1の時には、MKPの最小解は一意であり、時間tと初期値φ(0)の関数になっていることを示した。 2.p(t,x)(0【less than or equal】t【less than or equal】1,x∈R^d)をLiouville方程式の解とし、L(t,x;u):〔0,1〕×R^d×R^d〓〔0,∞)を可測で、特に、uに関して凸とする。(1)連続なR^d値セミマルチンゲール{X^ε(t)=X^ε(0)+∫^t_0u(s)ds+εW(t)}_<0【less than or equal】t【less than or equal】1>で、各t∈〔0.1〕で確率分布p(t,x)dxを持つものの内で、E〔∫^1_0L(t,φ(t);dφ(t)/dt)dt〕を最小にするものが存在し、それはマルコフ過程であり、そのε→0の極限{φ^o(t)}_<0【less than or equal】t【less than or equal】1>が存在して、それが絶対連続なR^d値確率過程であることを示した。(2){φ^o(t)}_<0【less than or equal】t【less than or equal】1>は、各t∈〔0,1〕で確率分布p(t,x)dxを持つ絶対連続なR^d値確率過程の内で、E〔∫^1_0L(t,φ(t);dφ(t)/dt)dt〕を最小にするものであることを示した。(3)L(t,x;u)がuに関して狭義凸の時、最小解は、同じ常微分方程式を満たすことも示した。(4)Liouville方程式の係数が滑らかな時に最小解{φ^o(t)}_<0【less than or equal】t【less than or equal】1>が時間tと初期値φ^o(0)の関数になっており、また、一意であることを示した。
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