研究概要 |
P(t, x)(0【less than or equal】t【less than or equal】1,x∈R^d)をLiouville方程式の解とし、L(t, x; u):[0,1]×R^d×R^d→[0,∞]を可測で、特に、uに関して狭義凸とする。(1)連続なR^d値セミマルチンゲール{X^ε(t)=X^ε(0)+∫^t_0u(s)ds+_εW(t)}_<0【less than or equal】t【less than or equal】1>で、各t∈[0,1]で確率分布p(t, x)dxを持つものの内で、E[∫^1_0L(t, X^ε(t);u(t))dt]を最小にするものが存在し、それはマルコフ過程であり、そのε→0の極限{φ^ο(t)}_<0【less than or equal】t【less than or equal】1が存在して、それが絶対連続な、R^d値確率過程であることを示した。(2){φ^ο(t)}_<0【less than or equal】t【less than or equal】1は、各t∈[0,1]で確率分布p(t, x)dxを持つ絶対連続なR^d値確率過程の内で、E[∫^1_0L(t,φ(t);dφ(t)/dt)dt]を最小にするものであることを示した。また、この問題の最小解は、同じ常微分方程式を満たすことも示した。 RをR^d(d【greater than or equal】1)上の確率密度関数とする。Rによって非等方化されたR^d上のグラフのガウス曲率流について、我々は、以下の成果を得た:ガウス曲率流の離散近似確率過程列の構成;ガウス曲率流を記述する偏微分方程式の弱解の存在と一意性:上記偏微分方程式の弱解は粘性解である事の証明。 R^^〜をS^<n-1>(n【greater than or equal】2)上の確率密度関数とした時、R^^〜によって非等方化されたR^nの閉超曲面のガウス曲率流についても上記と同様の成果を得た。特に、R^nの閉超曲面のガウス曲率流の離散近似の構成は、n【greater than or equal】3の時は、有名な未解決問題であったが、我々は、確率論の範疇に話を持ち込むことにより、この問題の完全な解決を見た。
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