研究概要 |
本研究では,ベクトル最適化の解析的研究を幅広く行い,特に,錐鞍点の存在結果やベクトル均衡問題,及び集合値写像の凸性と半連統性に関する体系的な調査を行うと同時に,国内外の研究者から専門的な知識の提供を行ってもらった。また,数理計画問題への応用として多目的配置問題の有効解についての研究も行った。得られた主な結果は以下の通りである。 1.ベクトル最適化における有効解の特徴づけと錐鞍点の存在性について,2002年6月に奈良で開催された「多目的計画とゴール計画の理論と応用についての第5回国際会議(MOPGP'02)」と2002年9月に京都で開催された「第2回日中最適化会議」において発表を行った。MOPGP'02のProceedingsが2003年4月に出版予定で,学術論文1篇が掲載予定である。さらに,他の学術誌へその応用内容の論文を投稿中である。 2.集合値写像の凸性・半連続性のスカラー化関数に遺伝する性質についての研究についても,MOPGP'02で発表を行い,そのProceedingsに学術論文1篇が掲載予定である。また,2002年6月に台湾の中原大学で開催された「第3回非線形解析と最適化解析の手法と応用に関する研究集会」と8月に韓国の慶州TEMPホテルで開催された「非線形関数解析と凸解析に関する第1回日韓共同セミナー2002年」およびベトナムのハノイ数学研究所で開催された「一般化凸性と一般化単調性に関する第7回国際研究集会」でこの内容についての招待講演を行った。 3.多目的ゲームについての研究は,包絡線の形状をもつ場合の特徴付けを一層詳細に行い,WindowsXP上で動作するC言語によるプログラムを開発してその内容をMOPGP'02(Proceedingsに学術論文1篇予定)と9月の京都大学数理解析研究所研究集会で発表を行い講究録として発表した。 4.数理計画への応用として,多目的配置問題に関する論文発表を京都大学数理解析研究所で行い講究録として発表した。
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