研究分担者 |
山田 裕理 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50134888)
山崎 秀記 一橋大学, 大学院・商学研究科, 教授 (30108188)
岩崎 史郎 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (00001842)
山崎 昌男 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20174659)
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研究概要 |
集合A上のクローン(A上の多変数関数の集合で合成に関して閉じているもの)の全体をA上のクローン束といい,L_Aと表す。|A|=2の場合のクローン束については構造が完全に解明されているが,|A|【greater than or equal】3のときにはクローン束L_Aの構造は極めて複雑であり,まだほとんど解明されていない。本研究では,A上の1変数関数からなるモノイドの全体M_Aを考え,M_AからL_Aの中への自然なガロア対応(Galois connection)を定め,このガロア対応を媒介にしてL_Aの構造の解明を図ることを主たる目的とした。 13年度には,主に次のような研究を行い,成果をあげた。 1.ガロア対応に関する基本的性質の研究 モノイドに対応するクローン全体について,それらがクローン束L_Aにおいてどの辺りに位置するかを調べた。まだ,最終的な結果は得られていないが,モノイドに対応するクローンはすべてある特定の極大クローンに含まれることがわかった。特定の極大クローンとは,(自明でない)1項関係によって定まる極大クローンとある種の置換群に対応して定まる極大クローンである。 2.対称群を含むモノイドに対応するクローンの特徴づけと分類 対称群を含むモノイドのうち特徴的なものからなる1つの系列{N_i}を考え,ガロア対応によってそれらに対応するクローンφ(N_i)がどのようなものであるかを明示的にすべて決定した。対称群を含むモノイドに対応するクローンの多くがtrivialなクローンであることがわかった。 3.モノイドが対応する極小クローンの特徴づけと分類 |A|>3に対し,モノイドが対応する極小クローンの特徴づけと分類の研究を始めた。これは大変興味深いテーマであることがわかってきたが,まだ十分な成果を得るには至っていない。 4.Kuznetsov criterionの応用 1960年代にKuznetsovによって提唱されたcriterionについて,われわれの研究対象への応用の可能性について考察した。Kuznetsov criterionを利用することにより,対称群を含むモノイドよりも小さなモノイドでtrivialなクローンに対応するものをいくつか求めることができた。
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