研究概要 |
空間一次元の外部近似問題を考察した。四次元相空間において,二次元安定多様体と二次元不安定多様体をもつ二つの双曲型平衡点がある。昨年度は数値計算を行い,パラメータを動かしながら各多様体の特徴的な挙動を調べ,二つの平衡点をC^1-級で接続する軌道が存在していること確認した。今年はこの情報をもとに厳密に多様体のパラメータ依存性を調べ,力学系理論を利用し,二つの平衡点をC^1-級で接続する軌道を考察したが,残念ながら,完全な解決は出来なかった。人工的な仮定を設けることによって,この軌道の存在を示した。さらにこの結果を用いて,元の問題の解の存在とその安定性も考察した。パラメータの数が多すぎて,それらの安定性に対する依存性を調べることは来年度の課題である。 次に空間二次元の外部近似問題を考察した。球対称な座標系を導入し,半直線上での外部近似問題を考えた。空間一次元の問題と同じく人工的な仮定を設けて,C^1-級の軌道の存在を示した。その軌道に対するパラメータ依存性を調べることは来年度の課題である。さらにその結果を利用して,元の問題の球対称解の存在,安定性の考察も来年度の課題である。
|