研究初年度においては、三日熱マラリアのtropical speciesを対象とし、再発現象を組み込んだ伝播数理モデルの構成を行った(1)(2)。Entomological parametersの検討を、媒介蚊研究を行っている香川医科大学・原田節雄、村主節雄(研究協力者)の協力のもとに行い、また、国立国際医療センター・永井伸彦、筑波大学・大前比呂志(研究協力者)の協力によりEpidemiological parametersについての検討を行った。研究2年度においては、更に高流行地であるソロモン諸島に適合するようにモデルの精密化に取り組むとともに(3)、マラリア・コントロール効果をモデルに組み込み、その有効性、持続効果についての解析を行った(5)。また、医学臨床面からのモデルの妥当性の評価研究を、自治医科大学・石井明(研究協力者)の協力を得て行った(4)。研究最終年度は、フィールド・データに基づくfollow-upスタディを行いモデルの完成度を高める研究を行うとともに研究の取りまとめを行った。また、新たに、North Korean speciesに対するモデルへの改編を行い、韓国国立保健研究所の協力を得て、朝鮮半島DMZ近郊の流行状況の解析を進めている所である。 (1)肝臓休眠体効果の数理モデル化の研究 (2)上記効果を含むPlasmodium vivax数理モデルの構築 (3)高流行地に適合されるためのモデルの精密化 (4)本モデルの医学臨床面からの評価研究
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