研究概要 |
1標本と2標本モデルにおいて,尺度について不変なスチューデント化されたM統計量に基づく位置パラメータの区間推定法を漸近理論に基にして提案した。漸近理論とシミュレーションにより,信頼区間を構成するパラメータの値を決定した。正規理論による最良区間推定法に対する提案した手法の漸近相対効率を数値積分によって求めた。この結果,正規分布の場合には提案した手法は少し劣るが,ロジスティック,混合正規分布,両側指数分布の時には,提案した手法は非常に良いことが解った。さらに,非対称分布の場合は提案した区間推定法の有効性は顕著に良かった。これにより提案した手法の分布に対する頑健性が導けた。 著書『統計科学』(2003年3月出版)のつづきとして,多標本モデルにおけるパラメトリック法,ノンパラメトリック法と研究対象のセミパラメトリック法についての紹介と,データの分布探索や正規性の適合度を基にした3種の手法の選択方式を白石高章のホームページhttp://crystal.sci.yokohama-cu.ac.jp/book.htmlに掲載した.更に,多標本モデルにおける頑健統計解析法のすべてについて,Microsoft Windows上で動作可能な実行可能形式のプログラムを用意した.これらの頑健統計解析法を含む実行可能形式のプログラムを集めたものを,Asoftと呼び,白石高章のホームページhttp://crystal.sci.yokohama-cu.ac.jp/book.htmlからAsoftをダウンロードできるようにし,Asoftの実行方法を述べた.解析の信頼性を高めるこれらの手法と選択方式のソフトプログラムにより,これまでよりも高度なデータ統計解析が可能になった. 楕円分布における分散共分散行列の同時推定量を提案し,その優位性について論じた。
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