研究課題/領域番号 |
13640131
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
宮原 孝夫 名古屋市立大学, 経済学部, 教授 (20106256)
|
研究分担者 |
三澤 哲也 名古屋市立大学, 経済学部, 教授 (10190620)
清水 昭信 名古屋市立大学, 自然科学研究教育センター, 教授 (10015547)
|
キーワード | 数理ファイナンス / オプション価格 / 幾何レヴィ過程 / マルチンゲール測度 / 相対エントロピー / 確率数値近似法 / 時系列データ平滑化 / subordination |
研究概要 |
数理ファイナンス理論の中の一つの問題である「非完備市場のオプション価格理論」に関連して、原資産の価格過程として幾何レヴィ過程を採用しオプション価格を定めるマルチンゲール測度として相対エントロピー最小のマルチンゲール測度を採用した数理モデル[Geometric Levy Process & MEMM]Pricimg Modelを構築をめざして、必要となる基礎理論とその応用法を研究した。その結果、次のような実績が得られた。 1)宮原孝夫は、MEMM(Minimal Entropy Martingale Measure)の存在する条件を幾何レヴィ過程にいて調べ、一つの十分条件を与えた。また、この結果を適用できる例をいくつか挙げて、このモデルの有用性を示した。さらに、このモデルを適用する際に必要となるレヴィ過程の推定法を、いくつかの典型的なレヴイ過程について、積率法を用いて導いた。 2)清水昭信は、既約正再帰連続時間マルコフ連鎖の再帰時間のp次モーメントが有限であるための必要十分条件を推移確率が定常分布に近づく速さの言葉で明らかにし、かつその応用について結果を得た。また、normalized subordinatorからきまるrandom discrete distributionにもとづき有限個の点を無作為抽出したとき、取り出す点の平均個数の漸近挙動をあきらかにした。 3)三澤哲也は、確率微分方程式で記述されるシステムにおいて、その力学的構造や特性を保つ新しい数値近似法をリー代数の観点から開発し、累乗根型ボラティリティをもつSDEの非負性を保つ数値近似スキームを提案した。また、株価などの経済時系列データの平滑化法として、完全系をなすウェーブレット関数系を利用する方法を提案し、その効用を検証した。
|