研究分担者 |
田村 要造 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (50171905)
谷 温之 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90118969)
前島 信 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90051846)
大野 義夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (20051865)
下村 俊 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00154328)
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研究概要 |
大型の数値シミュレーションは,現在,従来型の大気モデルなどを利用した流体や粘性の計算だけでなく,計量経済学や証券などの分野,さらには社会学の方面にまでも応用の可能性を広げつつある.本年度は,次のような研究を行った. ・ネットワークコンピューティング: ネットワークを用いた計算解析の一つとして現在世界的に話題になっているグリッドコンピューティングの構想がいろいろ立ち上がって来ている.特に,広域分散型の計算処理のプロトタイプがいろいろ提案されている.それらシステムの利便性や現実に現れるさまざまな問題にどの程度まで応用できるのか,数学的な観点に立ちその可能性と有効性の評価を行なうための基盤を構築した. ・部分的な区間解析による精度保証: 誤差解析の新たらしい手法として再認識されてきた区間解析の有効性を解析学,確立論,ファイナンスなどで現れる基礎的な数学問題で利用できる可能性を検証した.つまり,区間演算は莫大な演算量が必要であり,それを解決する高速演算が近年の計算機の発展で,特に,CPU速度の向上と計算機の低価格により完全ではないが部分的に実現可能となってきたからである.将来的に誤差解析に代わるツールとして,計算の精度保証が可能となる日がくるのもそれほど遠くはない. ・並列分散処理ついて: PCクラスタ用の区間解析ソフトウェアの開発を行なうために,現在,ORIGIN2400とDell Precision 530を使って,計算の精度保証に必要となる基礎的な実務問題への適用を考慮した基本算法の研究と基本ソフトウェア設計および基本的な実装の研究を行なった.
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