研究分担者 |
岡 宏枝 龍谷大学, 理工学部, 教授 (20215221)
池田 勉 龍谷大学, 理工学部, 教授 (50151296)
四ツ谷 晶二 龍谷大学, 理工学部, 教授 (60128361)
神保 秀一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80201565)
松本 和一郎 龍谷大学, 理工学部, 教授 (40093314)
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研究概要 |
ギンツブルグ・ランダウ方程式は超伝導の巨視的な現象を記述するモデルである.方程式は超伝導電子のマクロな状態を表す変数(秩序パラメータ)と磁場のポテンシャルで書き表せる.研究課題にあるように3次元の薄膜領域において外部磁場がない場合に,自明でない安定解,特に渦糸解と呼ばれる秩序変数が零点を持つ安定解を構成したい.外部磁場が無い場合でも永久電流の発生による磁場の効果が方程式に組み込まれているので扱いは単純ではない.薄膜の厚さをパラメータで制御し,厚さを零にした極限問題を形式的に導くと磁場の効果が消えることに着目し,この極限問題が安定な解を持つ場合に元の3次元の薄膜領域でも安定解が存在することを示した.特に底面が円板になっている円柱状の領域では,表面の小さな窪みにピン留めされた安定な渦糸解の存在を示すことができ,当初の目的を達成することができた. また,ギンツブルグ・ランダウ方程式の2次元領域における渦点の運動の性質を調べるため,磁場の効果を無視した秩序パラメータに関するエネルギーの勾配形について,係数の特異極限で導かれる常微分方程式系を研究した.この常微分方程式系は渦糸解の運動を特徴付ける方程式で,領域内に配置された渦点の運動の性質を謝べた.特に同じ符号の巻数を持つ渦糸同士は反発し位符号のものは引きつけあう性質から,温点が境界から消滅したり,2つの満点が衝突して消滅する運動の詳細を明らかにした.
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