研究課題/領域番号 |
13640149
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
高橋 眞映 山形大学, 工学部, 教授 (50007762)
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研究分担者 |
羽鳥 理 新潟大学, 理学部, 教授 (70156363)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | commutative Banach algebra / Gelfand transform / locally compact abelian group / prime ideal / ring homomorphism / Hyers-Ulam stability / eliptic differential equation / Wirtinger-Beesack inequality |
研究概要 |
物を分類するとき、いくつかの条件を設定し、それらを満たすクラスを考えることによって分類するという方法がある。本研究の理念は、可換Banach環及びBanach modulesを自然な条件を設定することによって分類し、具体的な環やmoduleがどのクラスに属するか、また同じクラスに属する環やmoduleはどんな不変の性質を共有するのかを調査し、更にその応用を考察することによって、可換Banach環やBanach modulesの本質を探ろうとするところにあった。この理念に基づき、我々は先にBSE-環及びBSE-Banach modulesのクラスを導入し、これを研究してきた。 本研究では局所コンパクト可換群上の具体的な環に注目し、コンパクト可換群上の自然なスペクトルを持つ有限なBorel測度の全体が和に関して閉じているための必要十分条件はもとの群が離散的であることを示した。またそれに関連して局所コンパクト非離散可換群上の有限なBorel測度で、対応する群環上の乗作用素が分解不可能であるようなものの存在を示した。次に2つの単位的可換Banach環の間のある種の環準同型は自動的に線形となることを示した。またディスク環からそれ自身への環準同型の構造が素イデアルの言葉で完全に記述されることを示した。またPfaffenberger-Phillipsが与えた単位的実可換Banach環上の2つのGelfand表現定理は非単位的ケースまで拡張でき、更にこの2つの表現定理は本質的に同じものであることを指摘した。また実可換Banach環から狭義の実可換Banach環への環準同型は、極大イデアル空間の間のある種の連続関数で記述できることを示した。 応用面では、線形微分作用素のHyers-Ulam stability問題、楕円型微分方程式u"=f(t, u)の第3種境界値問題、線形位相空間上の閉凸集合と不等式の族との間の対応問題など考察し、多くの有用な結果を導いた。
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