研究課題/領域番号 |
13640152
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎解析学
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
池畠 優 群馬大学, 工学部, 教授 (90202910)
|
研究分担者 |
田沼 一実 群馬大学, 工学部, 助教授 (60217156)
大江 貴司 岡山理科大学, 総合情報学部, 助教授 (90258210)
中村 玄 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50118535)
天野 一男 群馬大学, 工学部, 助教授 (90137795)
齋藤 三郎 群馬大学, 工学部, 教授 (10110397)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
キーワード | 逆問題 / 境界値逆問題 / 囲い込み法 / Dirichlet-to-Neumann写像 / 探針法 / 不連続面 / 介在物 / 亀裂 |
研究概要 |
1.囲い込み法の数値実験とその正則化 与えられた物体表面における一組の電流密度と電位分布から、多角形状の空洞、あるいは導電率の不連続性をもたらす介在物の凸包を解析的に引き出す公式の数値実験を行った。さらにその数値実験結果を説明するために、データに誤差が混入したとき、その公式を修正した公式を与えた。 2.探針法の展開 物体表面における境界条件が混合型の場合に、介在物や亀裂の形状および位置の情報を引き出す問題を考察した。解(いわゆる反射解)の挙動をより詳しく解析することにより、研究代表者が過去に発見した探針法が適用できることがわかった。特に、楕円型方程式の解の正則性の結果として有名なDe Giorgi-Nash-Moserの定理の境界値逆問題への応用を与えた。 3.囲い込み法の一般化 囲い込み法によって得られる、未知の介在物などの情報は凸包のみと少ない。そこで、凸包以上の情報を引き出し、しかも、探針法よりも単純な、Mittag-Lefflerの関数の解析性と漸近挙動に基礎をおく方法を発見した。また今までは直流を流し込んで未知の介在物の情報を、Dirichlet-to-Neumann写像(あるいはその一部)から引き出す問題を考えていたのであるが、交流を使うことも実際になされている。そこでその数学モデルを取り上げ、その問題へ囲い込み法およびその一般化を応用した。 4.囲い込み法の層状材料への応用 厚さをもった何枚かの、異なる等方的な導電率をもつ、板状の物質からなる多層材料中に生じた介在物などの欠陥の位置および形状の情報をDirichlet-to-Neumann写像から具体的に引き出す問題を考察した。そのために何枚かの平行な平面上に不連続性を持ち、他では定数であるような係数をもつ楕円型方程式に対して複素幾何光学解を構成しそのパラメタに関する漸近挙動を調べた。さらにその応用として介在物の凸包を引き出す公式を、囲い込み法を使って与えた。
|