研究分担者 |
木村 盛茂 信州大学, 工学部, 教授 (00026345)
酒井 雄二 信州大学, 工学部, 教授 (80021004)
奥山 安男 信州大学, 工学部, 教授 (70020980)
高野 嘉寿彦 信州大学, 工学部, 講師 (80252063)
山崎 基弘 信州大学, 工学部, 助教授 (30021017)
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研究概要 |
1.Banach束に値をとる正値ベクトル測度のテンソル積測度のBorel拡張が一意に存在するための十分条件を与えた.また,このBorel拡張測度を用いて,ある種のBanach代数に値をとるベクトル測度に対して合成積測度を定義し,その積分表示をBartleの双線形積分を用いて与えた.さらに,ベクトル測度の合成積をとる演算が測度の弱収束に関して同時連続であることを示した. 2.完備可分距離空間上で定義され,ある種の半Montel空間に値をとるベクトル測度の集合が測度の弱収束に関して(点列)コンパクトとなるための必要十分条件をいくつか与えた.特に上記ベクトル測度の集合が一様有界かつ一様緊密であるための必要十分条件は,対応する実測度からなる集合が測度の弱収束に関して相対点列コンパクトであることを示した. 3.測度の弱収束と同値な条件をまとめたPortmanteau定理及び測度の弱収束の一様性に関するRaoの定理が,Dedekind σ-complete Riesz空間に値をとる正値順序ベクトル測度に対しても成立することを示した. 4.直交級数の絶対ネールンド総和法と絶対リース総和法の定理を含む一般化された絶対ネールンド総和法の収束を統一的に取り扱うことのできる定理を与えた. 5.有限個の線分から構成される平面内のJordan多角形に対して一般化された「内角」を関数解析的に定義し,いわゆる内角の和の公式が成立することを示した.さらに,この和の公式が成立することとJordan多角形が一定個数の三角形にしか分解されえないことなどの種々の同値命題を考察した. 6.代数Riccati方程式(ARE)の非負定解の一意性の証明をAREの形の複雑さに依存しない統一的な証明方法に改良した。またAREを列展開して連立1次方程式に帰着させ,解が一意的に存在するための必要十分条件を求めた. 7.正値ベクトル測度の弱収束の確率過程への応用を試みた.確率過程,特にマルチンゲールや各種の擬似マルチンゲールの諸結果のBanach空間上への拡張にベクトル測度の弱収束に関して既に得られている結果を適用すべく検討した. 8.α-接続をもつ多次元正規分布のなす空間は底空間が対称な正定値行列のなす空間で,各ファイバーが呼坦な空間である沈め込みになっていることを示した.
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