研究分担者 |
浅川 秀一 岐阜大学, 工学部, 助手 (00211003)
小林 孝子 岐阜大学, 工学部, 助教授 (40252126)
志賀 潔 岐阜大学, 工学部, 教授 (10022683)
行者 明彦 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (50116026)
関口 次郎 東京農工大学, 工学部, 教授 (30117717)
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研究概要 |
1.本年度はおもに不変微分作用素の基本解の構成,Cauchy問題への応用,Huygensの原理の一般化などの研究を行った.概均質ベクトル空間の相対不変式の複素べきから,不変微分作用素の基本解を構成することができる.特に,その基本解が群の作用で不変であるという条件のもとでは,すべての基本解を,この複素べきのパラメータに関するLaurent展開係数をとることによって構成できる.これによって,波動方程式のHuygensの原理と呼ばれる現象が不変微分作用素において広く観察されることがわかった.この研究に関しては現在も研究を継続している. 2.複素平面上の線形微分方程式の歴史において,群論はその背後にあって大切な役割を果たしてきた.ガウスによる超幾何方程式の研究や楕円関数の研究から,クンマー,リーマン,クライン,ポアンカレによる発展の歴史をたどることは,群論と微分方程式の研究において大きな意味がある.本年度は,この観点から「線形微分方程式と群論」の発展に関する歴史書の翻訳を行った.これは,共同研究者である関口次郎氏との共同の仕事である.
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