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2002 年度 実績報告書

熱核の漸近性とラプラシアンの主固有値問題

研究課題

研究課題/領域番号 13640165
研究機関関西大学

研究代表者

市原 完治  関西大学, 工学部, 教授 (00112293)

研究分担者 千代延 大造  関西学院大学, 理工学部, 助教授 (50197638)
長田 博文  名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (20177207)
福島 正俊  関西大学, 工学部, 教授 (90015503)
キーワード熱核 / マルコフ過程 / 大偏差原理 / スペクトル / 主固有関数 / 樹木 / ブラウン運動 / ディリクレ形式
研究概要

等質な樹木上の回転不変なランダムウオークの固定端運動に対してDonsker-Varadhan型の大偏差原理を証明した。このランダムウオークは、正方格子上の可逆な周期的マルコフ連鎖のように、調和変換の後も周期的になるという都合のよい構造を持たない。そのため、証明において、ランダムウオークの被覆性を利用できず、レート関数の意味をきちんと把握する必要があった。連続時間の対称マルコフ過程の場合は、レート関数はデイリクレ形式で表現できるが、マルコフ連鎖の場合はそのような関係は知られてはいなかった。得られた結果の一つは、遷移確率密度関数に対して半径方向には上からガウス型の評価ができるという仮定の下で、L^2-スペクトルとレート関数の、それぞれに関係する変分公式の段階で一つの等式が成立するということであった。これらとDonsker-Varadhanのレート関数についての結果を援用することにより、大偏差原理(正方格子上のマルコフ連鎖の場合よりいくぶん弱い形)、極限定理を示すことができた。
また、多次元正方格子上の可逆な周期的マルコフ連鎖に対して、附随するL^2-スペクトルの下端が正になる(遷移確率密度関数が指数関数オーダーで減衰することと同等の条件)ための必要十分条件を、Ellisの大偏差の結果を利用することにより与えた。
さらに、多次元正方格子上で、時間に依存するランダム媒質のもとでの出生死滅過程を定義し、この確率過程の再帰性問題を、くり込みの方法に基づいて議論した。とくに2次元空間上で再帰的な例を構成した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 市原完治: "Birth and death processes in randomly fluctuating environments"Nagoya Math. J.. 166. 93-115 (2002)

  • [文献書誌] 福島正俊: "On Sobolev and capacitary inequalities for contractive Besov spaces over d-sets"Potential Analysis. 18. 59-77 (2003)

  • [文献書誌] 長田博文: "Harnack inequalities for exotic Brownian motions"Kyushu J. Math.. 56. 363-380 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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