研究課題/領域番号 |
13640169
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹腰 見昭 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20188171)
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研究分担者 |
小磯 憲史 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70116028)
満渕 俊樹 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80116102)
難波 誠 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60004462)
杉本 充 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60196756)
榎 一郎 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20146806)
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キーワード | 非線形シュレジンガー方程式 / 平均曲率作用素 / 漸近的な最大値原理 / チーガーの定数 / 超曲面の極小性 |
研究概要 |
難波誠は複素射影直線から複素射影空間への正則写像のモジュライ空間の存在を研究し、満渕俊樹はコンパクトケーラー多様体上のベクトル束にたいする小林-ヒッチン対応との類似による、多様体の安定性に関する小林-ヒッチン対応の研究をおこなった。小磯憲史はリーマン多様体における渦系の方程式の解の短時間、長時間存在を証明し、杉本充はフーリエ積分作用素の有界性の研究の応用として、シュレジンガー作用素の平滑化作用、非線形シュレジンガー方程式の大域解の存在を研究した。研究代表者、竹腰見昭は完備リーマン多様体上の準非線形作用素に対する漸近的な最大値原理を研究し、その多様体の体積の漸近挙動からこれが統制できうることを発見した。特に平均曲率作用素に関する結果は今までの微分幾何学的手法ではまったくアプローチができなかったものであり、その応用としてトカチェフのユークリッド空間上のノンパラメトリックスな超平面に関する極小性の定理を非平坦な一般の完備リーマン多様体のそれに拡張することに成功した。これにより平均曲率の漸近挙動、特にその自明性(その超局面の極小性)がその多様体のチーガーの定数と非常に深い連関をもつことが初めて認識されるに至った。また平均曲率作用素の解の有界性に関する結果がグラフの高さに関する非減少性をいっさい仮定することなしに得られることにも成功した。これらの結果はさらに、ラプラシアンに関するポアッソン方程式を満たす勾配の長さが有界な解の有界性を示すことにも応用できる。これらの結果はその多様体の完備計量のリッチ曲率や断面曲率には依らないもので、かつ曲率の条件に依る場合をも含む形で定式化することに成功した。
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