研究課題/領域番号 |
13640170
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
厚地 淳 慶應義塾大学, 経済学部, 助教授 (00221044)
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研究分担者 |
小谷 眞一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10025463)
鈴木 由紀 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30286645)
田村 要造 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (50171905)
竹腰 見昭 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20188171)
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キーワード | Brownian motion / local martingale / P-martingale / δ-sabharmonic function / Lienville theorem / minimal surface / subharmonic function |
研究概要 |
昨年度の研究からの継続で、多様体上のマルチンゲールや多様体上の関数と拡散過程の合成によって得られる局所マルチンゲールの性質の研究と、関数論や微分幾何学的対象への応用の道を探った。 前年度までにリーマン多様体上のブラウン運動の性質を元にδ-劣調和関数の性質について調べたが、これを応用して極小曲面の全曲率の有限性と、ブラウウン運動の再帰性、射影体積の有限性の関係について調べた。今までの研究ではプロパーにはめ込まれた極小曲面のみが扱われてきたが、我々の確率論的方法により、プロパーにはめ込まれているとは限らない有限な射影体積を持つ確率的完備な極小曲面は、有限な全曲率を持つことを証明した。δ-劣調和関数の研究については、今年度はこれを点付きディリクレ空間の範疇に拡張し、より一般の拡散過程に付随するδ-L-劣調和関数についても扱えるようにした。さらに、これをL-細調和写像に関するリューヴィル型定理に応用した。 また、竹腰は、完備リーマン多様体上の非定数劣調和関数のL^p-積分の発散条件をその関数の測地球上L^p-積分の発散条件に置き換えて研究し、その応用として完備リーマン多様体の放物性に関する判定条件、調和写像に関するリューヴィル型定理、非正なスカラー曲率をもつ完備計量の共形変換の等長性に関する結果を計量のリッチ曲率の条件に依存しない形で導いた。また完備リーマン多様体間のp-調和写像のL^p-エネルギー積分の評価についても以前の結果を精密化した。鈴木は、片側Brownポテンシャルをもつ拡散過程の漸近挙動について考察し、河津-鈴木-田中(2001)の結果よりも詳しく簡明な結果を得た。さらに、この拡散過程の最大値過程の漸近挙動についても解析を行った。
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