1.圧縮性ナビエ・ストークス流の非粘性極限に関する研究 上記研究に関しては、研究代表者が3週間香港に出向き、海外共同研究者であるZhouping Xin教授等との研究打ち合わせを行った。その際の議論により、我々の得た線型化Prandt1方程式に対する基本解を用いても、通常のSobolev空間内で閉じたIterationを得ることは、本質的「解の滑らかさの損失」が起こることにより、困難であることが明らかになった。その為、今後、新たな線型化問題を探ると同時にNash-Moserの陰関数定理を用いた存在証明の可能性についても検討していくことになった 2.非圧縮性ナビエ・ストークス流の滑らかさと渦度との関係についての研究 上記研究課題に関しては、まず、Zhouping Xin教授との共同研究に基づく内容を論文"Newa a-priori energy estimates to solutions of the 3-D Navier Stokes equations in a bounded domain"としてまとめた。まもなく投稿する予定である。また、東北大学の小薗英雄教授との共同研究により、上記論文において用いた(一般化された)Biot-Savartの定理を見直すことにより、n次元有界領域上の1次微分形式に対すHodge分解定理を、弱形式を用いた形で示すことが出来た。更に、滑らか微分形式に対しては、Hodge分解定理をGreen関数を用いた形で表現できることを示した後、このGreen関数の具体的評価式を使って非圧縮性ナビエ・ストークス流の解の滑らかさと渦度のBMOノルムとの関係を示すことが出来た。これらの結果は、現在論文として取りまとめ中である。
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